先日もこのブログ欄で紹介をさせて頂いた当センターのOBでもある「北島令司さん」は先月2月4日に満100歳を迎えました。
その北島さんが毎月読者からの希望で「神明瓦版」という毎月一回発行しているコ―ナ―に記事を書かれています。先日届いた3月号の記事をそのまま今回は紹介をさせて頂きます。
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年老いた者から見た世相 ~その86~
私の施設での生活もすぐ2年になろうとしています。
こんなはずではなかったと今更悔いても始まらない日常生活がこれからも続いていく事になります。
老後はもっと楽しくて悠々とした生活を夢見ていましたが、もう遅い、時間は決して戻ってくれないんだ、そんな気持ちの深渕の感想であります。
誰でもそうあるように老後になると一番心配になるのは、長い患いの病気と何処からともなく来るボケの問題の二つの心配であります。
自分も辛いが、それ以上に家族に大変な迷惑がかかることが一番の心配事であります。
元気で長生きし、ボケないでと思っていますが、難しい問題でありますが出来るだけそれに近づけたいと念じております。
絶対に元気で社会人として思うようにいかないのが人生であります。
病気してみると神様が「休め」と言ってくれているんだと思うかも知れないが
そんな呑気な考えは病気伏している間は全く出てきません。
ただ、大病した人は人生に対して情緒になるような気がします。
普段何気ない道端の小さな花を見て、素晴らしく綺麗で美しいと感づることがあります。
施設で生活しておりまして、知人の優しい奥様から、気づかれないほどの小さな道端の花を押し花として季節ごとに送ってもらい10ケ月以上になりますが、穏やかな優しい気持ちと普段見向きもしない道端の名も知れない草花の美しさに私の脳の働きが変わってきている感じがしております。
老いを楽しみ、家族の長として、地域の知識人として、生きていくべきだと思います。
健康でボケないで自分に取ってなにを持って老後の幸せというのか、その価値観を考えていかなけれならない時だと思います。
大金を持っていなくとも名もない一介の老人であっても、家族に囲まれて旅立っていければ最高の幸せの人生だと感じております。
新しい年になりました。
小さな目標であってもそれに向かって前進していきたいとおもいます。
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今日の日が昨日よりもっと良き日でありますよう
湘南話し方センター
所長 松永洋忠