32歳の独身男性。
両親が付き添いで一緒です。
3人を診察室に入れました。
「どうしました?」
私の質問に息子さんが答えようとすると、
「あんたはいいの、黙ってて」
そう言うなり、母親が一通の書状を取り出しました。
話をまとめておいたので読んでほしいと、
分厚い封筒が差し出されました。
きっと患者本人が話しにくい内容なんだろうと目で読み始めました。
ところが、その冒頭のところで、
「ん?何だこりゃ」
と目が点になったのです。
その手紙には
「この子は今まではとても素直で、何でもハイハイと聞いていたのですが、
この頃はいちいち逆い、口答えするようになりました。
私たち『両親』のいうことに、素直に“ハイ”と返事をしなくなったのです。」
といったことが延々と綴られています。
見れば、“この子”は多少気弱な感じですが、普通の立派な男性です。
しかしこれまでずっと、精神的には母親の“いい子”だったのでしょう。
32歳になって、やっと第一反抗期が始まったと推測されます。
その書状には
「お風呂が沸いてるから入ったら?と言ったら、今は入りたくない、と口答えしたんです。」
といったレベルの“反抗例”がまるで罪状のように書き連ねてありました。
母親の来院の目的は、
「この子の脳を調べてほしい」
というものでした。
何と言っても気の毒なのは息子さんです。
脳の検査の必要なのは付き添いの方、
そう思うケ―スが右肩上がりのようです。
他にも、お医者さんの話には、似たような例が多々あります。
あなたはどう思いますか。
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湘南話し方センター
所長 松永洋忠