心にとめて物事を見る

江戸期の本草学者、小野欄山に70歳の頃の逸話がある。

大名屋敷に招かれて年代物の花筒を見せられ、
「これは梅の木ですね。大宰府の梅でございましょう」
と言い当てた。
「木の出どころまでわかるのか」と大名が驚くと、欄山が答えた。
「幼少のみぎりに大宰府に参り、枯れて切られた梅の木を見ました。
木の切り口や木目が、この花筒とそっくりなので、もしやと」

欄山の特異な記憶力もさることながら、子供の網膜に焼き付いた画像がいかに確かなものであるかを、
花筒の逸話は物語っている。

何年か前の事件になるが栃木県黒磯市で起きた誘拐事件の容疑者を追い詰めたのも、
7歳の少女の確かな「目」だった。

監禁されていた外階段の付いたアパートの一階。
ピンクのカ―ペットに、テレビや漫画雑誌の並ぶ本棚。
何よりも容疑者の顔。そのほとんどが木本美穂ちゃんの記憶通りだった。

監禁場所から解放された文化会館迄の移動は一キロ弱で証言にあった「カップラーメンが出来る半分くらいの時間に等しい」恐怖心と心細さの中で、目と頭をフル回転させた冷静さ聡明さに驚く。

考えてみると、赤信号を自転車で平気で横切りスマホをやりながら自転車で走っている人。
日頃知らず知らず子供たちの目の被写体になっている。

【心にとめて物事を見る】ことによって新たな発見が出来るものです。

訪問した際など、この観察力が決め手となりビジネスに大きく繋がる事があります。

あなたも心に止めて物を観たりして質問力を高めて見ませんか。

今日の日が昨日よりもより良き日となりますよう


湘南話し方センター
所長 松永洋忠

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