以前『美しく老いるために』という私の講演を聞いたAさんが話していました。
Aさんは当時６６歳の女性。ご主人は７４歳。
Aさんは当時、脳血栓で２カ月入院し、退院して１年数カ月過ぎた頃で、体も不自由なく暮らしていましたが、
ご主人のためにも、関心を持って聞きに来られたとの事。

内容は言葉にも「追い込み言葉」「抱きとめ言葉」があると、
例えば、「おじいさん歳だな～」　「何回同じ事言えばわかるの結構ボケタね」　とか
「おばあちゃん最近物忘れが激しくなったね～」　
家族が何気なくいう言葉です。

本人にすれば、落ち込むうえにそれに追い打ちをかける。
これは「追い打ち言葉」　となる、ということでした。

また、その方は、その講演を聞く２０年程前に当センターの教室を受講したことのあるOBでもあり、
以前教室で「抱きとめ言葉」を聞いたことを思いだしたそう。

「抱きとめ言葉」とは、
「おじいさん、庭の掃除してくれたのありがとう」　
「おばちゃんの部屋を片付けてくれたおかげで、きれいになったわ」　
と少しでも暖かい感情を込めた言葉をかけると、本人に生き生きした弾みをつけられた。
「抱きとめ言葉」　そんな話をした事があります。
何年も前の話を覚えててくださったAさん、私も嬉しい限りです。

また、他のOBの女性Bさんのお母様(７９歳）は、当時かかりつけのお医者さんから、
「年齢にしては若くきれいだよ」　と言われたそうです。
お世辞とわかっていても、Bさんのお母様としてはよほどうれしかったらしく、
娘のBさんに何回もいうものだから、
「何度も聞いたわ！嬉しいね！」と二人で笑いあったとのこと。

そのBさんのお母様、５年前１０１歳でご浄土へ旅立ったとの事。

「抱きとめ言葉」は長寿の秘訣に繋がりますね。

「ありがとう！」　
「凄いね！」　
「頑張ってるね」　
「今までで一番良かった」
「あなたなら絶対出来る」　
「センスがいい」　　　　　等々沢山あります。

人に好感を持ってもらいたいなど、人間関係を良くするためには
話す相手を称賛する事が大切なキ―ワ―ドです。

あなたも普段から何気なく使っている「抱きとめ言葉」や「追い込み言葉」はありませんか？


ことばの使い方やことば選びは、あなた自身を表します。
さらに良くするためにも、当センターの教室に体験にいらしてみませんか？

今日の日が昨日よりもっと良き日となりますよう。

湘南話し方センター
所長　松永洋忠